釧路の中心街が大きく変貌しそうだ。
その名も「（仮称）ピーシーズ計画」という。
(Peaceful Seeds with　Prosperity)

釧路駅前から伸びる「北大通り」を中心に、
幣舞橋のたもとまで、幅300ｍの地域を
活性化させようとする大規模プロジェクトである。

この大通を、駅前０区(日本区)から始まり、
３区（韓国区）、６区（ロシア区）、そして
９区（中国区）の４ブロックに分割して整備する。

区内への車の乗り入れは禁じられ、歩行空間となり
移動手段に市電と自転車が利用される環境重視の
商業施設である。各ブロック間を、低床電車が循環
することで、人々の行動範囲も容易に拡大し、既存の
飲食店街や金融機関、宿泊施設のアクセスも
格段に良くなるという。

各商業区の後背には、住居施設も設けられ、
限定的ながら外国人に居住権も与えられるという。

各区では、各国の優れた物産や伝統芸術だけでなく
スポーツや語学など多岐にわたって交流が行なわれる。
平和な共存空間を、政治の力ではなく、市民の参加に
よって実現しようとする一大プロジェクトである。

世の中はそんなに甘くないのよ！
…っていう貴方は、いったいどれほど
世間を知っているだろうか？

ところで、日常的に私たちは車を利用している。
自分が車を運転したり、車に同乗したりする
そのときに、ヒヤリとさせられることがある。

無理な割り込み、危険な追い越し、
不気味に迫る後続車、無灯火で横切る自転車に、
子どもや小動物の飛び出し…など、
誰もが経験済みだろう。

なぜ、交通ルールを守らない？
（小動物は勘弁するとしても…）
そういう自分は、天地神明に誓って
ルールを守っているか？―と問われたならば、
誰も胸を張ってはいられまい。しかし、
それでも「安全に」暮らしているのである。
あらゆる危険におびえていては、
アクセルを踏めないのである。

それでもやはり、忘れてはいけない。
貴方の運転技術が優れているのではないことを。

泥酔や麻薬で意識朦朧としながら運転する者や、
暴走運転や信号無視を繰り返すアウトローな者が、
同じ公道を日常的に利用しているのである。
安全に暮らしているように思えているが、
実は、険しい山の稜線を、これまでは
運よく歩いていたに過ぎないのである。

どんな危険が待ち受けているかは、
誰にも予測できないものなのだ。
それこそが、「世間」だと言いたい。

世の中は、甘くはないのである。
だから、人生は喜怒哀楽に満ちているのだろうな。